- TOEICって何のためにやるの?意味はある?
- TOEIC受けてみたいけど、中学英語レベルでもできる?
- 何から勉強すればいいかわからない!
英語のテストといえば、英検かTOEICですよね。TOEICは2021年度の受験者数は約230万人おり、英語学習者さんにとって定番の英語力テストです。自分の英語力を知って対策できるメリットがあるので、英語学習を継続しやすくなります。
私は、TOEICを「現状の英語力を知るため」に、これまで5回受験し、徐々にスコアが上がっていく経験をしました。身近な勉強の目標となり、自然と勉強のやりがいを感じられています。
今回の記事は、TOEICの問題形式や受験料・申込み方法などの基本情報についてお話します。TOEIC受験のメリット・デメリットや、オススメの教材、私個人の意見も合わせてお伝えします。
この記事で、TOEICを受ける理由と役に立つ意味がわかりますよ。英語力を測定できるTOEICは「読む・聞く」が主流ですが「話す・聞く」のスキルも測れます。自分の英語学習の目的に合っているかどうか、ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてくださいね。
TOEICは「スコアで英語力を測るテスト」
TOEICテストとは、一言で表現すると「スコアで英語力を測るテスト」です。スコアで英語力を測るメリットは大きく2つあります。
- 自分の英語力を「数字」で確認できる
- 英語学習の目標が立てやすくなる
TOEICの公式サイトでも、以下のように書かれています。
テスト結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されるので、「現在地の正確な把握」や「目標設定」が可能です。
https://www.iibc-global.org/toeic/toeic_program.html
メリットをひとつずつ深堀りしてお話していきます。
メリット1. 自分の英語力を「数字」で確認できる
TOEICテストは「合格・不合格」という2択の評価ではなく、990点を満点とした、5点刻みのスコアで評価されます。「何点取れたか」で自分の英語力を可視化できます。ざっくりとしたスコアの英語力の目安は以下の通りです。
中学卒業程度の英語レベルがあり、限定された範囲内でのコミュニケーションができる。英検2級相当のレベル。
高校卒業〜大学レベルで、適切なコミュニケーションができる。英検2〜準1級相当のレベル。
英語でのコミュニケーションが十分にできる。英検準1〜1級相当のレベル。
スコアで自分の現状のレベルが分かれば、参考書や教材を選びやすくなります。せっかく買った教材が簡単すぎたり、難しすぎるともったいないですよね。TOEICで自分の英語力を把握できれば、スコアや自分の弱点に合った教材が無駄なく選べます。
メリット2. 英語学習の目標が立てやすくなる
TOEICテストは、英語の勉強のモチベーションキープや、小さな目標としてピッタリなんです。TOEICの結果は「5点刻みのスコア」なので、自分の好きな点数を目標にできます。
英検のような「合格・不合格」という2択はプレッシャーが大きいですが、自分の好きな点数が目標なら、プレッシャーを感じすぎずに受験できます。英語は継続が命なので、小さな目標をたくさん達成することで成功体験が得られます。
目標をクリアできれば、また次の目標にを目指しやすく、モチベーションが続いて、英語学習も継続しやすくなります。地域によっては、TOEICは月に1〜2回開催されるため、短期間内に小さな目標をどんどん達成できます。
もちろん、860点や990点を狙うような高い目標も、自分で自由に設定できます。スコアを上げることが目的になることで、自然と英語力が上がっていきます。
- 身近な目標を持つことで、英語学習のモチベーションになる
- TOEIC対策そのものが、英語力のアップにつながる
もはや一石二鳥以上です。TOEICには受ける意味は、十分にあります。
自分のレベルを把握したい、英語学習の目標がほしい、日常会話やビジネスでの英語力を上げたい!そんな人にピッタリのテストです。
【基本情報】TOEICの問題形式や申込み方法
「TOEIC」は略称で、正式名称の単語の頭文字からきています。TOEICの正式名称は「Test of English for International Communication(国際コミュニケーション英語能力テスト)」です。
日本では、TOEICといえば「TOEIC® Listening & Reading Test(通称TOEIC L&Rテスト)」と言われる、「読む・聞く」力を測れるリスニングとリーディングのテストが一番有名で、一番受験者が多いです。私もTOEIC L&Rテストしか受けたことがありません。
ですが、TOEICプログラムには大きく以下の2つのブランドがあり、全部で5種類のテストが存在しています。
TOEICプログラムの種類
- 初級者〜中級者向けの「TOEIC Bridge® Tests」
- 日常生活・ビジネス英語力を測定する「TOEIC® Tests」
TOEICプログラムのテスト5種類
- TOEIC® Listening & Reading Test (TOEIC L&R)
- TOEIC® Speaking & Writing Tests (TOEIC S&W)
- TOEIC® Speaking Test
- TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests
- TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests
今回の記事では、日本で有名で受験者数の多い「TOEIC L&Rテスト」の基本情報をご紹介します。
TOEIC L&Rテストの基本情報
項目 | 詳細 |
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運営・評価 | ETS(教育試験サービス) |
テスト形式 | マークシート(リスニング100問、リーディング100問) |
受験内容 | リスニング45分(Part1〜4の、4つのパートで構成) リーディング75分(Part5〜7の、3つのパートで構成) |
評価方法 | 10〜990点(5点刻み)のスコア方式 |
平均点 | 608点(2022年度) |
受験地 | 全国(試験日によっては開催されない地域もあります) |
料金 | 7,810円(税込)※割引制度あり |
申込み方法 | 申込サイトに会員登録し料金支払い後、申込み完了 |
TOEIC L&Rテストの問題内容
TOEICの問題は「リスニングセクション(L)」と「リーディングセクション(R)」の2つに分かれています。
リスニングセクションでは、スピーカーから流れる会話やナレーションの音声を聞いて、解答をマークシートに記入します。リーディングセクションでは、問題用紙に印刷された文章を読んで、解答をマークシートに記入します。
細かい問題内容と、出題数は以下の通りです。
リスニングセクション(全100問、約45分)
Part1(6問) 写真描写問題 | 1枚のモノクロの写真について、4つの短い説明文が1度だけ放送され、その4つのうち、写真の説明に一番適している答えをマークします。※説明文は問題用紙には印刷されていません。 |
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Part2(25問) 応答問題 | 1つの質問・文章と、それに対する3つの返答が1度だけ放送され、一番ふさわしい答えを選んでマークします。※放送されている文章は問題用紙には印刷されていません。 |
Part3(39問) 会話問題 | 2〜3人の会話が1度だけ放送されるので、問題用紙に書かれた設問(3問)と解答(4つ)を読んで、一番適している答えをマークします。会話文は印刷されていません。 |
Part4(30問) 説明文問題 | 人物1人のアナウンスやナレーションなどのミニトークが1度だけ放送されるので、問題用紙に書かれた設問(3問)と解答(4つ)を読んで、一番適している答えをマークします。 |
リーディングセクション(全100問、約75分)
Part5(30問) 短文穴埋め問題 | 短い文章の中にある空欄に一番ふさわしい答えを、問題用紙に書かれた4つの答えの中から選んでマークします。 |
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Part6(16問) 長文穴埋め問題 | 長めの文章の中にある空欄に一番ふさわしい単語・句・文章を、問題用紙に書かれた4つの答えの中から選んでマークします。それぞれの長文に設問は4問ずつ。 |
Part7 (1つの文書:29問、複数の文書:25問) | メールやWebサイトなどの文書から数問ずつ出題されるので、4つの答えの中から一番ふさわしい答えをマークします。文書は1つの文書と、2〜3つの文書の問題があります。 |
TOEICを受けるメリット・デメリット
TOEICを受験するメリットはたくさんありますが、人によってはデメリットもあります。
- 英語学習に大事な「継続」がしやすい
- 目標を立てやすく、英語学習に取り組みやすくなる
- 情報や教材が多いため、始めるのが簡単
- 英語力がない人もチャレンジしやすい
- のびしろを感じやすい
- 受験料が高い(税込7,810円)
- 地域によっては年に数回しか受験できない
- 英語力以外のスキル(ビジネス英語、推測力、国語力)も必要
TOEICテストは「仕事・生活をするための英語力を上げる」目的での受験に向いているため、大学生や社会人にメリットがあります。ビジネスシーンで使われる英語を多く扱っていて、転職や昇進のためにも役に立つことはもちろん、将来海外で仕事をしたい、英語を使って仕事をしたい人にもオススメです。
おすすめのTOEIC向け教材と勉強方法
私が実際にTOEIC対策として使って、効果があった!と感じた教材を3冊ご紹介します。
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集
- TOEIC L&R TEST でる単特急 金のフレーズ
- 世界一わかりやすいTOEIC(R)テストの英文法
公式TOEIC Listening & Reading 問題集
価格 | 3,300円(税込) |
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音声 | 付属CD、アプリ「abceed」 |
発売日 | 2024年7月17日(11巻) |
出版社 | 国際ビジネスコミュニケーション協会 |
TOEIC対策本といえばコレです。2024年10月現在では1〜11巻まで発売されています。特徴は、以下の通りです。
- 本番と同じ形式のテスト2回分掲載
- 解説付きの解答が別冊で付属
- コピーして使える解答用マークシート付属
- リスニング・リーディングパートの音声CD付属
付属のCD以外にも、「abceed」というアプリで無料で聞けます。問題内容や形式、音声も本番と同じです。TOEICを一度も受けたことのなくて初受験する予定がある人は最新巻でいいので、必ず一回は挑戦してみてほしいです。以下のリンクから購入できます。
私は8〜10を使って、タイマーで2時間測りながら本番と同じように解いています!
TOEIC L&R TEST でる単特急 金のフレーズ
価格 | 979円(税込) |
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音声 | アプリ「abceed」 |
発売日 | 2017年1月6日 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
TOEICの単語対策といえばコレです。「金フレ」の愛称でおなじみの単語帳です。単語帳としてはちょっと珍しい「日→英」の形で見出し語が掲載されています。
フレーズごと覚えられるよう、TOEICに出てきそうなフレーズも収録されていて、見出し語と同様で単語が赤シートで隠れる仕様です。赤シートは付属されています。
英単語はフレーズごと覚えたほうが覚えやすく、フレーズで覚えてしまえば、話したり書く時にパッとすぐ使えておすすめの暗記方法です。
TOEIC単語帳はたくさんありますが、「金フレ」が一番人気です。以下のリンクから購入できます。
金フレに収録されている単語は、本当にTOEIC公式問題集でもよく出てきます。
世界一わかりやすいTOEIC(R)テストの英文法
価格 | 1,760円(税込) |
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音声 | |
発売日 | 2022年9月2日 |
出版社 | KADOKAWA |
TOEICで頻出する知識が網羅されていて、TOEICpart5に出てきそうな例文が豊富。TOEIC対策以外にも、文法の復習にかなり役立ちます。シンプルに文法の要点を書いているので、この1冊で文法の復習ができます。
以下のリンクから購入できます。
文法に自信がない人は同じ関先生の著書「世界一わかりやすい英文法の授業」や「真・英文法大全」もおすすめです。
関連記事はこちら:【社会人にオススメ】英文法の参考書&問題集11選!
TOEICを5回受験してみた感想
ここから少しだけ、私個人の感想をお話します。ざっくりした感想は、以下の通りです。
- TOEICはビジネス英語である
- 単語力がモロにわかる
- 文法は基礎からやらないと伸びない
- アメリカ英語以外のリスニングも大事
TOEICは、勉強した分のスコアがしっかり出ることが楽しく、ときに厳しく感じて、それが英語を勉強するためのエネルギーになるので、好きです。
TOEICはビジネス英語である
TOEICは、ビジネスでの会話が多いです。日常会話ができるようになりたい!と思っている人が普段行っている勉強ではあまり出てこない単語や表現、単語の意味が出てきます。
そういう点でTOEICは難しいと感じたことは何度もあります。だからこそ「次までに覚えるぞ!」というモチベーションにつながります。
フォーマルでビジネスな英語が使われている、海外ドラマ「SUITS」では、TOEIC頻出単語がよく出てきます。
単語力がモロにわかる
TOEIC対策でビジネス英語や難しめの単語を学んだことで、映画や海外ドラマで「この単語知ってる!」ということが増えたような気がします。その瞬間は、英語やっててよかった〜!と嬉しくなります。
一方で、単語をしっかり覚えないとついていけず、点を落とすというパターンも経験しているため、どれだけ単語力があるか?でTOEICのスコアは変わってきます。
文法は基礎からやらないと伸びない
文法問題が多く、文法の基礎分野(品詞・文型)はもちろん応用分野もしっかり理解していないと解けない、ということも感じました。
大人の英語学習で「文法はいらない」という意見は見かけますが、TOEIC対策では文法の知識は必須です。
アメリカ英語以外のリスニングも大事
リスニングパートでは、アメリカ英語、イギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語で話される会話を聞いて設問に答える必要があります。
そのため、イギリス英語での読み方だったり、オーストラリア英語の発音を知らないと、永遠にわからない問題もあります。
もしかしたらTOEIC対策でしか出会わないような音に出会えるのも、楽しくも辛い経験です。
自分の「今」を知って英語学習の目標を立てましょう!
TOEICは自分の現在の英語力を数字で測れるテストです。英語を身につけるために必ずしも受けなければいけないわけではありませんが、受験することでメリットもあります。
なかなか英語学習が習慣化できない、目標が特にないから英語をやる気が起きない、という人はTOEIC受験がおすすめです。合格・不合格ではなく点数で英語力を試せるのでプレッシャーが少なく、自分に合った目標を掲げられます。
TOEICを受験している英語学習者さんが多いので、独学では勉強が進みにくい人でも、仲間ができやすい点でもおすすめです。
英語がぜんぜんわからない人こそ一度受験して、勉強の目標としてTOEICのスコアを設定すれば、モチベーションを保ったまま継続して英語を勉強できます。
「低いスコアになるのは目に見えてるから、今はしっかり基礎を身につけたい」という人は、文法を学ぶのがおすすめです。【超初心者向け】英語を基礎からやり直すには文法!初心者にオススメの勉強方法と教材をご紹介!も良ければ読んでみてください。