- 文法書の「〇〇詞」がわからない
- そもそも品詞って必要?メリットは?
- スッキリわかりやすくまとめてほしい
英語を学び始めるときに大事なのは「品詞」と「文型」です。
しかし、品詞と文型について詳しく解説した参考書は、残念ながらマイナーであまり数は多くありません。
そのせいなのか、品詞と文型の理解があいまいで、文法をしっかり学ぶことが出来ず、英語力が伸び悩んでしまう人もいます。
これは英語学習初心者だけの話ではなく、中級者以上の人でもいます。
私自身、学生時代は感覚だけで英語を学んでいて、なんとなくは理解できても、そこから上達することがありませんでした。
社会人になってから品詞と文型についてしっかり学ぶと、文法が面白いように理解できたばかりか、リーディングやリスニングも上達したんです!
そこで今回は、英語学習で重要な「品詞」にフォーカスを当てて、そもそもなぜ品詞が大事か?という話や、英語の文章の教科書には(あんまり)載っていない超基本ルールについてたっぷりお話していきます。
最後まで読めば、英語を学びたてのときに絶対に知っておきたい品詞がほぼ完全に理解できます。
品詞は英語の超基本であり英語の命とも言われる語順(文型)にも深く関わってきます。
一度読めば理解できるように書きましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
英語の品詞はわからないとマズいです
英語の品詞は、参考書でもさらっとしか書かれていないわりに、英語でとても大事な役目を果たしています。
なので、特に英語学習を始めたばかりの人は、品詞がわからないとマズいです。
理由は、英語では命とも言われる「語順」のルールを守らないといけないからです。
そもそも、品詞とは単語をカテゴリーに分けたものを指し、10個の品詞があります。
品詞の10種類
名詞/動詞/形容詞/副詞/前置詞/助動詞/冠詞/代名詞/接続詞/間投詞
それぞれの品詞ついてはこちらの記事に詳しく書いています。
>>〈英語力上がる〉品詞の種類や一覧、勉強するメリットを解説します!TOEIC対策にも効果あり!
「品詞がわからないとマズい」、もちろんこれは極端な言い方です。
でも、品詞がわかっていると英語学習はかなりラクです。
また一度理解してしまえば、「この文章の品詞を答えよ」という問題を解かないといけない人以外(つまりほとんどの社会人)は、品詞にエネルギーを使わなくてOKです。
あくまで、英語の勉強をしていく上で、「品詞がどうやって英文に関わってくるのか?」「どんな働きをするのか?」を知るためだけに使うツールだと思ってもらえたらいいです。
ちなみに、品詞が分からなくても英語ができる人はいます。
私は品詞がわかったからこそ英語の仕組みもきれいに理解できた人間なので、どうして品詞を知らずに理解できるのかは説明できませんが、たしかに存在するようです。
個人的には、品詞を理解するのに時間はかからない上に、今後の英語学習でめちゃくちゃ便利な道具なので品詞はわかっていたほうが有利だと思っています。
これだけは見て!絶対に知っておいてほしい品詞と英語の基本
絶対に知っておいてほしい、品詞と英語の基本をひとまずリストアップだけさせてください!
時間のない人はこのリストだけでも見て行って!
時間に余裕のある人はぜひ最後まで読んで、品詞のことを知って欲しいです!
- ルール通りに単語を並べるために必要なのが「品詞」
- 品詞は単語をカテゴリ別に分けたもの
- 品詞は10個(名詞・動詞・形容詞・副詞など)
- 英語の文章は「誰/何がどうする」で始まる
- 「誰/何」→主語(S)と呼ぶ
- 「どうする」→述語動詞(V)と呼ぶ
- 主語になれる単語は「名詞」
- 述語動詞になれる単語は「動詞」
- 形容詞の単語は名詞の前にくっつく
- 形容詞句・形容詞節は名詞の後ろにくっつく
- 形容詞と名詞がくっつくと、1つの「名詞句」になる
- 文章もまるごと、名詞の働きをする「名詞節」になる
- 副詞は名詞以外にくっついて、原則どこにでも置ける
- 前置詞は名詞の後ろにくっついて、形容詞か副詞の働きをする
このリストに書かれた内容が書かれているのは「アトラス総合英語」か「Evergreen」です。
学生時代は理解できなかったけど改めて読んでみると、ページ数は少ないものの、語順や品詞について書かれています。
英語の語順ルールは英語の「超基本」
品詞がわかっていると、厳しい英語の語順ルールを守ることができます。
英語の語順ルールは、英語学習の超基本です。
英語の語順ルールとは、「誰/何がどうする」で始まる5つの文章パターンが基礎になったルールのことです。
英語の文章は、ほぼ必ず「誰/何がどうする」で始まります。
その後に他の説明を後ろへ後ろへと付け足していきます。
A cat run.「猫が走る」
- 誰/何が → 猫が
- どうする → 走る
My mother ate a piece of apple pie.
「私の母親は一切れのアップルパイを食べた」
- 誰/何が → 私の母親が
- どうする → 食べた
- 何を → 一切れのアップルパイ
みたいな感じです。
これが英語の語順のルールです。
英語は、語順によって意味が決まっていくため、語順は絶対!なのです。
品詞がわかっていると、「誰/何がどうする」という語順を守るために、どんな単語が適任か?を選べます。
つまり、英文の順番として正しい単語を選ぶことができ、正しい配置に置くことができます。
【重要】文章に入れる単語を選ぶための「品詞」
英語の文章は極端に言えば、たくさんの単語を並べたものですよね。
自由に単語を並べていいわけではなく、英語は単語の並べ方、つまり「語順」がルールとしてしっかり決まっています。
決まった順番に単語を並べないと、本来の意味が伝わりません。
そのために必要なのが「品詞」です。
「誰/何がどうする」からほぼ必ず始まる英語の文章では、
- 「誰/何が」の部分に入れる単語
- 「どうする」の部分に入れる単語
は決まっています。
単語というか、品詞が決まっています。
これめちゃくちゃ大事です。
英語の語順と品詞の決まり事
英語の語順と品詞にはこんな決まり事があります。
「誰/何が」の部分には名詞か代名詞の単語しか入れません。
(名詞句と名詞節も入れますがひとくくりにして名詞と言っています)
「どうする」の部分には動詞と助動詞+動詞の単語しか入れられません。
文法用語では、
- 「誰/何が」の部分のことを「主語」
- 「どうする」の部分は「述語動詞」もしくは「動詞」
と言います。
(「述語動詞」を使っている参考書は多くなく、単に「動詞」ということがほとんどです)
述語動詞とは、主語が行う動作や性質などを表す動詞のこと。
ちなみに品詞の「動詞」とは若干意味合いが変わりますが、今のところは「述語動詞=動詞」という認識でOKです。
主語は、主語の英語(Subject)の頭文字をとって「S」、
動詞は、動詞の英語(Verb)の頭文字で「V」と呼ばれます。
例文を使ってもう少しお話しますね。
Beauty opened the door and laughed with delight.
ラダーシリーズ/Beauty and the Beast
Beauty →「誰/何が」=主語(S)
opened →「どうする」=述語動詞(V)
という感じです。
このように英語は、ほぼ必ず「主語→述語動詞」の順番で始まりますし、どちらも欠けることはほぼありません。
「ほぼ」と言っているのは、命令形とか、倒置などの例外もあるからです。
初心者のうちは、英文は「主語→述語動詞」の順番なんだーで大丈夫です。
英語の文章には、この「主語→述語動詞」の順番で始まるのを起点にして、全部で5つのパターンがあります。文章のテンプレートみたいな感じです。
英語の文章でよく使われるパターンは2と3です。
初心者の段階だと、パターン3までは早めに覚えるといいです。
意味:「誰/何がどうする(いつ/どこで/どのように)」
語順:主語 → 述語動詞(→修飾語)
例文:My cat run every morning.
語順:My cat(主語)→ run(述語動詞)→ every morning(修飾語)
意味:「誰/何が◯◯だ」
語順:主語 → 述語動詞 → 補語
例文:My cat is beautiful.
語順:My cat(主語)→ is(述語動詞)→ beautiful(補語)
意味:「誰/何は■■をどうする」
語順:主語 → 述語動詞 → 目的語
例文:My cat eats a fish.
語順:My cat(主語)→ eats(述語動詞)→ a fish(目的語)
意味:「誰/何は■■を◇◇にどうする」
語順:主語 → 述語動詞 → 目的語1 → 目的語2
例文:My cat gave me a mouth.
語順:My cat(主語)→ gave(述語動詞)→ me(目的語1)→ a mouth(目的語2)
意味:「誰/何は■■を◯◯にする」
語順:主語 → 述語動詞 → 目的語 → 補語
例文:My cat makes me happy.
語順:My cat(主語)→ makes(述語動詞)→ me(目的語)→ happy(補語)
これら5つのパターンのことを、文法用語では「基本5文型」と言います。
ここからが大事な部分!
- 主語になれる単語は「名詞」か「代名詞」の単語だけ(※1)
- 述語動詞になれる単語は「動詞」の単語だけ(※2)
(※1)2つ以上の単語が合わさってできる「名詞句」、文章が名詞の働きをする「名詞節」も含まれます
(※2)動詞の前に助動詞がついたものも述語動詞になれます。
これは基本の入り口です。
次から、さらに基本について重要な部分をお話していきます。
たくさんあると覚えきれないと思うので「今すぐこれだけは絶対に覚えてほしい品詞」をピックアップして、大事な要素だけをご紹介します。
これだけは今すぐ覚えてほしい品詞8個
英語をこれから勉強していく上で必要になる知識についてお話します。
今すぐ覚えてほしい品詞8個と、補足情報をリストアップしました。
これがわかると、文法書が言っていることが理解できるようになるはずです。
あわせて、基本5文型を覚えると時間をかけずに文法を学び終えることができます。
- 主語(S)、補語(C)、目的語(O)になれる
- 前置詞の後ろにも置ける
(例)book, cat, water, happinessなど
主語(S)とは「誰/何がどうする」の「誰/何が」の部分。話の主役です。
- 述語動詞(V)になる
(例)read, walk, know, thinkなど
述語動詞(V)とは、「誰/何がどうする」の「どうする」の部分。話の主役の行動を表します。
- 補語(C)になる
- 名詞にくっつく(名詞を修飾する)
- 1語なら名詞の前、2語以上なら後ろに置く
(an “interesting” book, a cat “on the sofa”)
(例)interesting, mysterious, nice, crazyなど
補語(C)とは、「誰/何は◯◯だ」の「◯◯だ」の部分。話の主役の説明を担います。
- 名詞以外にくっつく(名詞以外を修飾する)
※動詞、形容詞、副詞、文章まるごとを修飾できる - 文章の構成要素ではないため、「原則」置く場所はどこでもいい(原則であり、例外がたくさんあります。細かいのでここでは省略します)
(例)very, probably, recentlyなど
- 名詞の前に置く
- 前置詞+名詞=形容詞か副詞になる
- 形容詞のときは名詞の後ろに置く
- 副詞のときは文頭・文末に置くことが多い
(例)in, on, atなど
- a/anとtheのみ
- 名詞の前につく
(an apple, the pianoなど)
- 動詞の前にくっつく
(例)can, should, willなど
- 名詞の代わり
- 名詞が置ける場所に置ける
(例)I, you, we, he, she, this, itなど
ここまでが覚えてほしい品詞8個です。
次は、補足情報の部分。
これを知っておけば、準動詞(不定詞、動名詞、分詞)や関係詞・疑問詞の理解も進みます。
- 2単語以上で作られた、名詞の働きをするかたまり
- 名詞が置ける場所に置ける
(例)an interesting book, a mysterious catなど
- まるごと名詞の働きをする(元)文章
- 名詞が置ける場所に置ける
(例)what I said, to understand this textbookなど
不定詞などの解説で「名詞的用法」などと言われるのは、つまり「名詞と同じ扱いをします」ということなんです。
たとえば、名詞と同じ扱いということは、主語・目的語・補語・前置詞の後ろ(一部を除く)の部分に入れてもOKということです。
今はまだ「何言ってるかワカラナイ」という人も安心してください。
今回の記事でお話した内容のような基本から順番に学んでいけば腑に落ちていくはずです。
私がここまで理解できたのは、社会人で英語学び直し開始時に取り組んだ文法の講座のおかげです。
講座で学んだから他の文法書が読んで「そういうことを言いたいのね」と理解できましたし、講座に出会わなかったらいまだに「文法よくわからん嫌い英語難しい」という状態になっていたと思います。
詳しくは記事にしたので、よかったら読んでください。
>>【超初心者向け】ゼロからの英語やり直し教室New Beginningを使ってみた感想・レビュー【英文法通信講座】
この講座1つだけで品詞も文型もすっきり理解でき、長年の謎も解け、英語学習がどれだけはかどったことか…
品詞を知るメリット
個人的には品詞を覚えたことで得た恩恵は大きすぎて「メリットしかないですけど?」と言いたいところなのですが、具体的に、品詞を知るメリットについてお話してみます。
メリット1:文法書が読める
これが一番の大きなメリットです。品詞が分かれば文法がわかる。
文法嫌いな人は多いと思いますが、それはきっと「何を言っているかわからない」からだと思います。
品詞は英語の初歩で学ぶべき大事な知識な割には、参考書にはあまり載っておらず「それくらいわかっているでしょ」という前提で話が進んでいきます。
品詞が理解できれば、英語の構造も理解できるということなので、文法書を読み進めることができ、文法の基本から応用分野までがしっかり理解できます。
文法が理解できれば、その後の4つのスキルのための勉強やトレーニングがはかどります。
4つのスキルとは、英語を読む(リーディング)、聞く(リスニング)、書く(ライティング)、話す(スピーキング)のこと。
メリット2:文法書が読めるからリーディングができる
英語を英語のまま理解するためには、頭の中でいちいち日本語訳しちゃいけないんです。
でも日本語と英語は語順が違っているので、文法を学んでいないと左から右に英文をスムーズに読めません。
簡単な単語を使っていても、文法で語順のルールを知らないと正しい意味を理解できません。
品詞を知ることで文法が学べると、英文を左から右へ、返り読みすることなく読めるようになります。
英語を読む力は、リスニング・ライティング・スピーキングにも通じる大事な力です。
メリット3:リーディングできるからリスニングができる
リスニングは英語を聞き取る力です。
英語を聞いて意味が理解できるようになるためにはたくさん聞いて理解した意味と合っているか?単語は正しく聞き取れているかを確認する必要があります。
そのためにリスニングと言えど、英文を読む機会があります。
英文が読めないと、ただ英語を聞き流すだけになってしまいかねません。
英文が読めても、単語の並びがどうしてそんな意味になるのかまで理解するには、英語を読める力が必要です。
英文は「主語→述語動詞」からほぼ必ず始まるので、次に来る単語を予想できるようにもなります。
メリット4:英語を読んだり聞けるからライティングもできる
ライティングは英語を書く力です。
自分の思っていることを文章にするためには、文章の組み立て方を知る必要がありますよね。
文法はもちろん、リーディングの練習で得た自然な英文の流れや表現、リスニングで得た自然な音の流れを知っているから、英語を書くことができます。
メリット5:ライティングできればスピーキングもできる
スピーキングは英語を話す力です。
ライティングができれば、台本が書けるということでもあり、文章を組み立てることができるということです。
頭の中で台本を書きつつ、その通りに話すことができるようになります。
品詞ができればなんでもできる、かも
元気があれば何でもできる!的な流れでお話してきましたが、品詞は4つのスキルの土台になります。
英語を学び始める最初の一歩に知っておくと、目標に一気に近づけます。
ですが、注意したいのは、品詞にとらわれすぎないことです。
品詞を学ぶのはあくまで英語の語順ルールを理解するため。
また英語は言葉であり、生きているので、自然な英語を触れれば触れるほど、ルールの例外にたくさん出会うと思います。
品詞に捕らわれすぎず、あくまで品詞は「基本」であることを忘れずに、柔軟な考え方を持って英語を使ってほしいなと思います。
仕組みが分かってしまえば、仕組みを意識しなくても使えるようになります!
品詞の役割については詳しい記事があるので、よければあわせて読んでみてください!
>>【超重要】英語の品詞の役割って何? それぞれの意味や使い方、文型との違いを知って英語力ぶちあげ!
品詞は「効率的な英語学習のスタート」に必須です
英語の品詞がわからないとマズい理由と品詞についてお話してきました。
- 名詞の単語は主語、補語、目的語になれる
- 動詞の単語は述語動詞になれる
- 形容詞の単語は名詞を修飾したり、補語になれる
など、英文の語順を決める品詞の決まり事を知ることは、働く大人の効率的な英語学習に必須です。
品詞は学び始めたら数十分程度で終わるわりには、長い英語学習で非常に役立つ知識です。
それなのにも関わらず、むしろそれだからか、一般的な参考書では「品詞くらいわかってるだろう」というスタイルで話が進んでいきます。
品詞がわからないままだと、独学で英語をやる大人にとっては、今さら聞けない…と悩みながら英語学習を挫折してしまう原因にもなりかねません。
英語を忘れた大人が学び直しをするときには、品詞と文型についてしっかり解説された「アトラス総合英語」や「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」などを選ぶといいです。
もしくはわたしのイチオシ教材「初心者でもじっくり学べる英語講座
英語は語順のルールがしっかりしているからこそ、一度品詞と文型を覚えてしまえさえすれば、パズルのように単語を入れ替えるだけで文章が作れるシンプルさがあります。
だからこそ世界共通語としての地位が確立されたのだと思います。
英語の品詞が分からなかった人はぜひこの記事をきっかけに品詞がわかる人になっていただければうれしいです。